7月24日基礎科夜間部(くりた)
あるライター卵の日常
蝉の声がひびく夕暮れ時の赤坂、駅から歩いて5分もしないうちに、シナリオ作家教室に到着。
たった3階をのぼるだけなのに、
激しい動悸、息切れ、めまい…
単純に運動不足なだけ、ではないのです。
本日、プロット2回目の添削の授業だったのです、はい。
プロットというのは、脚本の前段階。
簡潔に(かつ的確に)物語の展開や人物の気持ちなどを書き起こしていく。
これをもとに具体的なセリフなり動きなりを考えて、脚本をかくわけで、
いわば物語の骨組み作りといえます。
このプロット、「まだ脚本じゃないんだし…」などと甘く見てると、
矛盾だらけ、「?」マーク大行進の物語になってしまうのです(1回目の体験談)
そんな失敗をふまえ、練り直した第2回目のプロットを携え、
いざ教室へと入る。
がら~ん。
ふと時計を見ると授業30分前。
早く着きすぎましたよ。
「どんだけ、怯えてるんだ、自分」と思う。
10分前ほどから、ぞろぞろと生徒が集まりはじめる。
とめどなく発せられるわたしの緊張オーラに異変の感じた友人、
声をかけてくる。
友人「緊張してる?」
自分「(ひきつり笑顔)いや、そうでもないよ!」
そうでもないわけ、ないっす(汗)
【シナリオ極意・セリフは嘘つき】を地でいってしまいました。
人は余裕のないときほど、本音を語ることができないのだと悟る。
さて、そうこうしてる間に、先生のおでましデス。
本日の講師は、田部先生。
毎授業恒例、先生の最新映画情報を聞くも、気もそぞろ。
いや、覚えてます、ちゃんとメモしてありますよ。
今週は『庭から昇ったロケット雲』『ホット・ファズ』の2本です。
今日を無事乗り越えられたら…見ます。
はてさて、講評のはじまり、はじまり。
自分は、6人中、6人目…。
さ…最後っすか…?
な…生殺し…だ…(胃痛)
でも、こんなナイーブな心境だからこそ、
それまでの講評も発表者と同じ気持ちになって、
一喜一憂できるってもんです。
Aさんへの講評「テーマが伝わってこないよね」
本人もなんとなく腑に落ちていなかった部分を、すぱっと鋭く。
先生のご指摘には、一寸の無駄もありません。
他人事ではなく、恐るべき共感力で我が事のように聞き入る私…。
だって、
明日は…というか、数分後には我が身、なんですもの。
Bさんへの講評「おもしろかったですよ。脚本にうつってください」
見事、プロットから脚本へのGO!サインが出た方も…。
2稿、3稿とぐんぐんおもしろくなって、
いち視聴者として単純に次回が楽しみ、みたいな気分。
羨望と嫉妬の入り混じった生暖かいまなざしを送ってみる。
発表者のみなさん、悪寒がしたら、それは私です。
みんなの前で行われる講評は、
ちょっと公開裁判みたいだなと思っていたけれど、
(ちょっとだけですよ!)
『ヒトの修業を自分のことのように共有できる空間』だと思えば、
まさに…ドラマ…?
ん?
うまいこと、言った?(言ってない)
そんなこんなで、
うっかり全力で共感&緊張していた私は、
自分の講評の頃には、
もはやぐったりしてたわけですけど(ダメじゃん)
けど…
無事、脚本へのGO!サインをいただけました!!(狂喜)
まだまだ詰めなきゃいけないところもあるけれど、
脚本の最終ページに【終わり】と書くまで、走り抜ける所存であります。
まぁね…
この調子じゃあ、きっと、
脚本の講評のときも、同じ緊張を味わうんでしょうね…
えぇ…そうでしょうね…
でも…
この緊張…
ちょっと快感…?(笑)
【基礎科夜間部 くりた】
テレビが好きすぎてうっかりシナリオ作家を志すF1層女子。
シナリオの難しさと日々格闘、日々傷心、だが、ちょっとずつおもしろさに目覚めてきた。