2009.7.14

7月14日創作論講義夜間部(坪井)

本日の創作論講義「作家主義について」
講師/富田克也さん(映画監督・シナリオ作家)・相澤虎之助さん(映画監督・シナリオ作家)

 

 

先生お二人がドアを開けて入って来た時、先生の引力にKOされてしまった。
監督・脚本の富田先生は超イケメン!!
俳優さんですか?!と思うくらい。
それもただの甘いイケメンでなく、ピリ辛スパイシー。
少年のようにいきいきとエネルギーに溢れているけど、眼光するどく、不敵な炎が見える。
脚本・撮影の相澤先生は、懐かしいアニメ(『樫の木モック』とか『アンデルセン物語』とか)に出てきそうな、ほっこりとしたキュートなお顔。
平和な大地を思わせるものごしの、その下に流れている熱いマグマが、時折感じられる。

 

そんな先生方の作品は、今ある現実・そこに潜むものを、映画的な創造と融合している。
先生おすすめのエドワード・ヤン監督の作品に、通じるものがある。
もうひとつのおすすめ、ジャ・ジャンクー監督作品はまだ観たことがないのでぜひ観てみたいと思った。

 

常にカメラを携え、日常の、その瞬間にしかない「心が動いた」場面を撮りためているのだそう。その「心が動いた」理由を追求し、抽出し、創造していく。

 

インディペンデントの映画制作一連のお話を聞いて、先生の生活の中に映画づくりがあるんだなぁと思った。
歯をみがいたり、ごはんたべたりするように、生活の一部として。なんだか羨ましい。

 

印象的だったのは、「作家性が色濃く出ている作品群を観ていると、信頼感が生まれる」というお話。
一見、単純なハッピーエンドや、なんでもない場面に見えたとしても、作家性を理解すると、奥にひそむ別の意味「ダブルミーニング」に気づくというわけだ。
例に『東京ソナタ』や『東京物語』があがった。
わかる!すっごくわかります!心の中で先生と激しく握手。
最近私は、『ディア・ドクター』を観て、賛否両論のラストについて、同じように感じていたので、そのお話でボルテージがまたあがった。ダブルミーニング万歳!

 

最後に、「ひとにはいろんな音があるから、共同作業も良いものですよ」と相澤先生。確かに。
富田先生と相澤先生の音が共鳴し合って心地よいメロディーが生まれている。
講義後、素晴らしい映画を観終わった後のように、いつまでもその余韻が残った。

 

坪井(第53期基礎科昼間部)
日大芸術学部演劇学科卒業。
母親がシナリオ?期卒業生で山内久先生に師事。