4月22日研修科昼間部(野崎)
二回目の講座。前回と同様、受講生が書いたシナリオ(プロット)に対して他の受講生+先生が意見を言う。今回は松田先生。受講生は10人前後だったろうか。
先生をてっぺんに置き、僕たちは輪を作る。その方が意見を言いやすい。
どうでもいいことだけど、椅子を並べるとき、僕は色々なことで迷う。椅子は人数分で良いものか、はたまた遅れてきた人の分まで計算するべきなのか、どの椅子を使うべきなのか、そしてどこに座るべきなのか。
そんなことを考えているうちに、椅子の輪は自然と(もちろん他の人たちのおかげで)出来上がっていて、僕はただ座るだけ。そして、僕の手が加わることなく作られた輪は、少し遅れてきた人の分まできちんと用意されていて、みんな凄いなぁと思う。それに比べて僕は……なんて自虐的思考スイッチが入る暇はなく、講義スタート。
シナリオについて二時間もみんなで熱く語れる、というのはとても幸せなことだ。
特に今回は自分の書いたプロットに対して、みんなが真剣に意見を言ってくれた。
間違いなく今年の幸せな時間ベスト5にランクインしている。これからランキングは塗り替えられていくと思うけど、2009年のベスト10には、辛うじてだけど、留まっていると思う。要するに、それくらい良い時間を過ごせたということです。
こう書くと、僕のプロットが賞賛されたような印象を与えそうだけど、決してそうではなくて、むしろ厳しい意見の方が多かった。自分では見破ることもできなかった、または見てみぬフリをしていたプロットの弱点は見事なまでに暴かれた。プロットが纏っていた見せかけだけの服が剥がれ、裸になったのだ。
僕にはそれが嬉しい。丸裸のプロットともう一度向き合える、そう考えただけでワクワクする。もちろん、自分が面白いと思って出したはずのプロットが突き返されるのはしんどい。でも、それは同時に『もっと面白くなる可能性がある』という意味でもある。僕はそう信じ、改めてテーマを見つめ直し、どんどん深くなっていく物語に自分でも圧倒されながら、これからもパソコンカタカタの日々を送るのだろう。
野崎(第52期研修科昼間部)
豊島区高田にある日本ジャーナリスト専門学校を今年の三月で卒業し、晴れてフリーライターとなりました。もちろん自称です。『野崎芳史』で検索すれば、書かせてもらっている映画評が読めるので暇で暇で仕方のないときにでも読んでください。
尊敬する人→井土紀州(映画監督、脚本家)・村上春樹(小説家)・伊集院光(タレント)