2月9日創作論講義(酒匂)
本日の創作論講義 「シナリオ自己診断法」
[講師] 田部俊行(シナリオ作家)
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今日の創作論講義はシナリオ作家・田部俊行先生。
田部先生といえば、テレビの昼帯の連続ドラマを多数執筆された方!
学生時代、夏休みは昼ドラにはまっていた私は授業が始まる前からかなりドキドキしていました。
(「砂の城」とか「緋の稜線」、大好きだったなぁ~。)
講義がスタートし、先生はまず、下の言葉を黒板に大きく書かれました。
「筆は一本 箸は二本 衆寡敵せず」
箸は二本だけど筆はたった一本、『衆寡敵せず』は『少数のものは多数のものに敵対しても勝ち目がない』ということわざ、これは、先生からの「皆は厳しい世界を目指しているが、ある種の情熱がないと、この世界では生きていけない。」というメッセージでした。
そして、その後は、下の言葉を大きく書かれました。
「悪魔に委ねよ」
「悪魔に委ねよ」は大和屋竺さんの映画論集のタイトルですが、先生は時々その本の背表紙を見て、「俺ってダメだなぁ」と呟くそうです。
先生は、「シナリオ講座では、技術・定義を習うけど、それだけじゃなく、大事なのは『心の悪魔(=情熱)』を持っているかどうか。狂ったもの、心の内から燃えてくるようなものがないとダメ』とおっしゃいました。
そして、講義のテーマの「シナリオ自己診断法」について。
「シナリオライターのプロとアマの違いは、直しができるかどうか…。
『ストーリー』、『構成』、『キャラクター』は、自分の作品を見つめ直す時のヒントになる」との事!
<ストーリー>
・まず、シナリオは描き始めたら最後まで誰にも見せない!
→途中で否定されてしまったら、続きが書けなくなる
・話は作れ!
→アイデアは浮かぶまで待つのはダメ。意識して作る。例えば、アイデアに詰まったら散歩に行く…常に作るって意識だと、何か見た時にふと、ひらめいたりする
・クライマックスの部分で感動させられているか!
→できていないのなら、どこかで書き方が間違っているか、不足している。
クライマックスから読み取るのは大事
<構成>
・「かせ(枷)」が活かされているか
・「危機的状況」にあるか
・「謎、秘密」があるか
<キャラクター>
主人公はたいてい、「傷・トラウマ」がある。そして、それを解決するのがストーリーとして成り立っている。自分が書いた作品でそれがないとしたら、それを考える。
完全無欠な人はつまらない、普通のサラリーマン・普通のOLなんてありえない!
また、心に突き刺さるお言葉も、たくさん頂きました。
「シナリオは農業に似ている。農業は土を耕して、種をまき、水をやり、芽が出る。シナリオも肥沃(ひよく)な土壌をいかに作り上げるかが大事。
そのためには、映画や本をたくさん観たり読んだりする事が大事。」
(先生は映画をたくさん観ているので、アイデアに困った時は何かしら浮かぶとおっしゃっていました。)
「『とりあえず』、『途中まで』はダメ!癖になる。書き始めたら自分を信じて最後まで書き上げる。書いたものは、自分の貯金になる。」
田部先生の講義ではここには書ききれない程の多くの事を教えて頂き、本当に濃い時間でした。
もっとお話が聞きたいと思い、ちゃっかり、田部先生の元生徒さん達との飲み会にもお邪魔してしまいました。
シナリオ制作論講義の先生と飲む機会はめったにないので、とても貴重でしたが、さらに驚く事がありました!基礎科・研修科・修了生が入り混じって参加していたので面識のない方が多く、皆さんの出身などをお聞きしていたら、なんと!田部先生は私と同じ高校でした!つまり、先輩でした。先生の高校時代のお話も聞かせて頂き、本当に貴重な時間を過ごしました。先生、ありがとうございました。
酒匂彩子(第54期基礎科夜間部)
最近、マクドナルドの「Big American」にはまっています。
4種類全て、制覇する予定です!(すでに2つ目まで食べました!)