2018.10.17

18年春期合同修了式 S

半年通って慣れた部屋の扉を開けると、中には溢れる人人人。
その様子にハッとしたのは早数週間前。
9月最後の土曜日。曇天の中行われたのは、シナリオ講座の合同修了式でした。

 

私がシナリオ講座の門をたたいたきっかけはなんだったかな?と思い返すと、テレビドラマだったように思います。
なんの期待もなく見始めたのに、次はどうなるんだろうと釘づけになるストーリー。
はじめはそうでもなかったのに、次第に惹かれていく魅力的なキャラクター。
和気あいあいとしていた序盤、ところが衝撃の事実が判明、怒涛のクライマックスへ。
それらを1クールという短い時間の中に詰め込んでしまう構成の、なんと見事なことか。

 

誰が作っているのかな?書いているのはどんな人?
どうすればこんな物語が書けるんだろう?
私も、私にも。こんな『脚本』を作ることができるだろうか――?

 

そんな興味と淡い期待から、インターネットの海を泳ぎ、ここシナリオ講座に辿り着いたというわけです。

 

私が通っていたのは基礎科昼クラスで、平日の昼が講義日ということもあり、受講者は十数人しかおりませんでした。
ですから、半年も通えば全員の名前を覚え、話を交わす、人見知りの私にとっても随分と、良く言えばアットホーム、逆に言えば少しだけ緊張感がゆるんだ集まりと化していました。
ところが修了式には基礎科夜クラス、研修科昼クラス、研修科夜クラス、そしてそれぞれの講師陣もあつまるわけですから、それはもうたくさんの人。正直あまりの多さに戸惑ってしまいました。
そしてハッとするわけです。

 

ああ、こんなにたくさんの人が『脚本』を学び、そしてその中の多くはプロを目指しているんだな。

 

修了式は加藤正人理事長のお話から始まり、各クラス代表の先生のお話、そして受講生代表の挨拶と続きます。
集まった受講生は、知る顔、知らない顔、どの人も何か目的をもってこの講座を申し込むに至った仲間でありライバルです。
脚本について無知だった私も、この半年で、先生方からたくさんのことを学び、同じクラスの受講生たちと切磋琢磨してきました。
いちからプロットを作って、人生で初めて1時間の物語を『脚本』という形で生み出しました。
そしてこの日、半年の講義を終えた修了式。
のんべんだらりと授業を受けにきていたわけではないけれど、いつもより少し新鮮な空気に触れて、改めて何かを目指すことの難しさと面白さを思い出す、そんな夜になりました。

 

10月からは研修科がスタートします。
基礎科で学んだことをふまえて、今度は2時間の脚本に挑戦です。
気持ちを新たに、襟を正して、目指すものに近付けるように邁進していきたいと思います。

 

……まあ、泣きごともたくさん言うと思うんですけどね。
でもその気持ちだってきっと、いつか『脚本』の肥やしになるかもしれないし、なんて都合良く考えながら。