2018.10.5

私は、基礎科を終えました S

 6時少し前に起床し、風呂に入り歯を磨き、コンタクトをつけ服を着て飼い猫にキスしたら家を出て、早足で駅へ向かう。嬉しいことに電車はまだ混んでいないので、お陽さまの当たる席を選んで腰掛けます。これからお昼過ぎまでバイトの時間である。与えられた仕事に精を出し、バイトが終わると滲む汗が乾かぬうちに電車に乗りこみ、そして赤坂へ向かう。
 これが私の木曜日だ。私の木曜日だった、というのが今は正しい。バイト、そしてシナリオ講座へ。早寝早起き、とても健康的だ。

 

 自分が作品を提出している日は、講座が始まるまで絶えずドキドキしている。ただでさえ何度も読み返した自分のシナリオやプロットを、電車に乗りながら、お昼ご飯を食べながら、また何度も読み直す。
 やがて赤坂にたどり着くと、シナリオ会館に向かい教室に入り、他の受講生の方に挨拶をしつつ席につく。席は自由でどこに座ってもいいのだが、皆ある程度座る位置が固まっている。ちなみに私の気に入っている場所は、壁がすぐ後ろにある席。
 座っていてももちろん落ち着かない。もうすぐ自分の作品が評価されるのだ。
 そんなに緊張することかい? と思われる方もいると思うが、緊張、します。

 

 何故こんなにもドキドキするのだろう、と私なりに考えてみた。自分がなんでもかんでもすぐに緊張してしまう、というのも1つにあるだろうがそれは置いておいて、きっと、先生方も、他の受講生の方々も、そして私も、全員が真剣だからだ。

 

 先生の意見、プロの目線、ホンモノの言葉は、すごい。
 私が2度目に提出したプロットに、そして私自身に対しても、先生は少し厳しめの言葉を放った。
 そのとき私は、若干落ち込みながらも、ホンモノはすごい、と感じたのだ。小手先でやりくりしようとしても、そんなもの通用しない、それを人生ではじめて実感した。
 それが5月(確か)の話、そしてそれから私は変わろうとしている。柿の美味しい季節になっても、未だ変われずにいるけれど。
 私は憧れた。小手先の真似事や誤魔化しではなく、ホンモノになりたいと強く思った。そしてこの講座で、先生方に認められるようなシナリオを書きたい、半年間頑張ろう。5月、悔しさと反省をバネにして、私は少し燃えた。
 結局、先生に認められる認められない以前に、自分自身が納得できるものも書けずに半年が過ぎた。しかし今もなお、ハートは静かに優しく燃え続けているので、これからは研修科で頑張ります。

 

 シナリオ講座に通って、何よりも良かったと思うのは、ホンモノを知れた、という事だ。もし私が講座に行っていなかったら…きっと勘違いしたカラッポ小手先人間のままで一生を終えていたはず、知らないというのは怖い。無知の知です。

 

 シナリオに関する知識の全くなかった私でも、人生初のシナリオを書くことができた。そして、書くことの楽しさ、難しさ、奥深さなど、たくさんのことを知ることができた。しかし、まだまだ私は分からないことだらけの未熟者だ。
 研修科、今からとても楽しみです。