9月5日創作論講義
研修科夜間部68期生、キサです。
9/5の創作論講義は岡田惠和先生。
13年ぶりのご来校ということで、事前に質問したいことが募集されるなど
8月からシナリオ講座は密かな盛り上がりを見せていました。
当日の講義はインタビュー形式で冒頭から質問が続き、内容が盛りだくさんで
放送中の朝ドラ「ひよっこ」に関するお話も、たくさん聞くことができました。
ここのところ朝ドラは「何かを成し遂げる人」が多かった中で
オリジナルの作品をやりたいと思い、
語られることのない人たち、普通の女の子の話にしようとしていたこと、
そういった役は役として難しく、シーンの中でそんなに目立つわけでもないこともあるので
力のある女優さんにやってもらいたいと思い、有村架純さんにお願いしたこと……
ドラマができるまでのリアルな裏話と、現在進行形のドラマの内容にも触れるなど
今聞ける事自体が貴重なお話の連続です。
後半も「岡田先生の作品には悪人が登場しないように思いますが理由は?」
「女性や、高齢でまだ自分が経験していない年齢の人物など、自分とかけ離れた人の書き方は?」
「脚本家に向いてる人はどんな人?」
などなど、気になる内容ばかり。
創作論の受講生しか来ていないのがもったいないくらい、充実した講義でした。
1つだけQ&Aの内容について書いておくと(いいのかな?)
「最も効果があったシナリオの勉強法や本は?」という質問への、
先生のお答えは「書き写し」でした。
「好きな脚本を、手書きで、丸写しを2回する。
人間の手の疲労度で、シーンの長さが分かってくる。
愛してる作家の「書き方」が分かってくる。
ボクサーの3分みたいに、アスリートとしてのドラマ書きの感覚がつかめてくる。
2回目はしんどいけど「自分ならこうする」というものも芽生えてくるし
一時間てこんな感じかっていうのも体で覚えてくる
(※ただし、自分が好きな作品を選ばないと つらいそうです)」
この内容、「アスリートとしての」「体で覚える」という部分が
なかなか書き進められない、ゴールが分からない勉強中の身として
個人的にすごく納得できるものでした。私もぜひやってみようと思ってます。
岡田先生、この度は貴重なお話、ありがとうございました。
大変お忙しいとは思いますが、また是非講義をお願いします!
時期柄、10月からの受講を考えてブログをお読みの方もいらっしゃると思うのですが
私が創作論講義を研修科でも受講している理由は
新しい先生に出会うことで
先生ご自身が執筆された、あるいはおすすめの作品や、脚本に関する本に触れ
(もう本当、すっごい良いものにたくさん出会えました
読むものが溜まっていて大変なくらいです)
新しい視点や技術を得られるのと
あと毎回違う先生がいらっしゃる中で
「脚本家」とはどういうものか、雰囲気が分かってくるところが良かったから、ですね。
「映画」「ドラマ」だけじゃなく、ラジオドラマ・アニメ・漫画原作など
色々な分野で仕事ができるんだなぁと感じられましたし……。
あと私がひそかに思っていたのが
脚本家の先生は、皆さんお話が上手いということです。
教室に向かって2時間しゃべるってなると、言いよどんだりしません?
私なら絶対挙動不審になると思います。
でも1年受講してて、
どの先生も話に詰まったり、話がぐちゃぐちゃになったりしないんですよね。
これが構成力というものかと、内容だけでなくその点にも感じるところがありました。
脚本家って「チームの一員」なので、コミュニケーション能力も要りますしね。
もちろん週1回授業が増えると、受講中の生活も少し変わって来ると思うので
これから受講される方には、後悔のないように選んでほしいなと思います。
今期の講義もあとわずか。
研修科受講生も最後の〆切に向けて追い込み中、提出される作品数も最多記録更新中です。
書き上げることの大変さと、そこから得られるものの重要さを噛み締める日々です。