8月の創作論講義(ケイ)
65期基礎科・夜間部、「ケイ」です。
ブログ執筆はこれで二回目となります。
今回は6月に続いて、8月の「創作論講義」について当方なりにまとめてみました。
8月4日 井上登紀子 先生
ハリウッド式のシナリオには欠かせないと言われる
三幕構成について改めて見識を深められる講義でした。
また、ハリウッドにはシナリオライターの他、
シナリオの構造分析を生業とする専門家がいるなど
興味深いお話を聞くこともできました。
他の講義で、ハリウッドではシナリオを
書く(Write)とは言わず、開発(Develop)すると言うとの
話を聞いていたこともあり、自分流のシナリオ観についても考えさせられる講義でした。
ただ漫然と書きたい物を書くのではなく、観客に望まれる物語を
客観的に解析し、構築する技量を今後は磨いていきたいです。
8月18日 丸内敏治 先生 某グルメマンガの名物キャラのモデルになったことでも
有名な北大路魯山人を主人公に据えた脚本『唯我独尊』について
執筆者の丸内先生よりお話頂いた講義でした。
脚本を読み、先生のお話を聞いて、まず感じたのが取材の綿密さ。
多様な書籍からの情報収集はもとより、
魯山人と縁や親交のあった方々との取材を通じて脚本の中に生み出された
登場人物の造形には圧倒されました。
『脚本は脚(あし)で書くから脚本だ』という格言を
以前に聞いたことがありますが、
まさにそれを実感させられる講義となりました。
8月25日(昼) 福田裕子 先生 こちらの講座で受講を始めてから、ずっと聞きたいと思っていた
アニメ業界における脚本のアレコレについてお話頂きました。
講師の福田先生がこの分野で仕事をすることになったきっかけに始まり、
アニメ業界における脚本家のあり方や立ち位置、
先生独自の脚本創作テクニックに至るまで幅広くお話を伺うことができ、
大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
講義が終わった後も、熱心に先生に対し、
様々な切り口で質問をする受講生が多く、
先生の柔和で朗らかな人柄、受け答えの仕方と併せて印象的な創作論講義となりました。
8月25日(夜) 榎望 先生
8月4日の井上先生の講義と同様に
脚本のパターンや構造の重要性について学ぶことができた講義です。
講義中、いくつかの名作映画の冒頭部分を鑑賞しましたが、
どの映画にも共通して言えたのは「続きを見てみたい!」という 欲求を喚起する技術の巧みさ。
脚本家を志していながら、『カイロの紫のバラ』など、未見の
映画も多かったため、これを機に年代やジャンルに囚われず
古今東西の名作に触れていきたいというモチベーションが高まりました。
余談ですが、榎先生も講義で触れていた『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』は
読み易く、かつ脚本構成のノウハウを知る上で大変参考となる書籍です。
ライバルが増えそうなので、実はあまり宣伝したくないという本音も
ありますが、今後、切磋琢磨しあうためにもオススメしておきます。
今日はこのあたりで