4月25日基礎科昼間部(工藤)
御機嫌よう。基礎科昼間部工藤です。
基礎科昼間部、講師のかたは、小川智子先生と長谷川隆先生。
最初の二週は小川先生の講義でございました。
基礎科最初の講義に使われた映画のタイトルは「風の中の牝鶏」
小津安二郎、脚本監督の作品で、87分(ぐらい)
戦後の東京に住んでいる、妻と子。
なかなか戦争から帰って来ない夫。
お金に困って着物を売り内職をして生活するも、子供が急に体調を崩し入院。
その入院費を払うため、嫁は一度だけ売春をしてしまう。
それから一か月もたたないうちに、夫は足掛け三年の帰還。
隠し事のできない嫁は、夫が留守にしていた間のことを聞かれたままに答え、そして二人はやむをえなかった売春の間で揺れるも、これを乗り越えて本当の夫婦になるんだと、誓い合う、要約するとそんな映画です。
なぜ小川先生がこの脚本を選んだのか、ということを、最後の講義の時おっしゃっていたのですが、理由は以下の三つだそうです。
1、この映画には回想シーンがない
2、ナレーションがない
3、先生が個人的に好きな映画
だからといっていい脚本ではないそうですけれど。
脚本家自身も失敗作だとおっしゃっているとか。
良いものだけを参考にする、と思っていても、その前に良い悪いの判別がつかなくてはいけませんよね。
まずはたくさん読んで、たくさん見て、良い 悪いの判別をつけれるところから頑張りたいと思います。
そして長谷川先生の授業については、次の基礎科昼間部の方にバトンタッチしようと思います。
いやあ、私事ですが、講義の間にある昼間部のお茶会がわたくしは毎回楽しみでなりません。まだ参加したことのない方は、一回でも参加してほしいなといつも思っております。
どんなことを考えているのか、どんなことを書きたいのか、そんな憩いの語り場になればいいです。真剣脚本家志望語り場です。
お一方の演説会になることもままありますが。笑
それもそれで、我々の個性なのであります。
来週の創作論は、わたくしの地元青森県で「奇跡のリンゴ」という映画の監督をされました中村義洋さんです。
この映画、エキストラとして参加していたのですけど、一番たくさんのエキストラを使うときの撮影だったようで、まあ、長丁場で大変でございました。
脚本だけでなく、映画の現場も、映画自体が、たくさんのエネルギーを使うものであって、映画の構成を作りたいわたくしは、そういう熱量も感じられるひとになりたいと思いました。
先週の創作論の井上淳一さんの映画、テアトル新宿で放映中の「戦争と一人の女」は、まさしくそんな熱量の感じることが出来る映画でございます。ぜひ、ご覧になってみてください。
それでは、この辺で筆を置かせていただきます。
基礎科昼間部、工藤聡子でした。