8月27日研修科昼間部 (森)
さて、私が井上正子先生の授業にプロットを出した時の事を申しますと、
小心者の私は10分くらい
「今日、講座に出るのをやめようか」
と迷いながら、何故か一時間前に赤坂に着いてしまい、
手持ち無沙汰なので誰もいない教室をウロウロします。
ポツポツと知り合いが来はじめましたら、
平静を装って当たり障りの無い会話で
さも今日の事は気にしていない振りをします。
授業が始まり、井上先生の素敵な笑顔に促されて作品の意図を説明するところから、当初の目論見が外れしどろもどろになります。
井上先生の鋭い突っ込みが入り、私の頭の中は真っ白になり
「なぜそんな事も考えてなかったんだ~」
と、自己嫌悪に陥ります。
続いて、クラスメートの発言があり、
またしても自分の思ってもみない、
否、考えていなかった欠陥を指摘され、
汗ダラダラの支離滅裂な答えをする自己の姿に
穴があったら入りたくなります。
授業が進むにつれてダンダン小さくなっていく私は、
時折時計を盗み見て、時間があまりに過ぎるのが遅い時を恨みます。
最後になって、
井上先生の優しいフォローもあり、
もう捨ててしまおうと思っていた自分の作品にも
僅かな光が見えて授業が終わります。
シナリオ教室では、
自分の作品が厳しく批評されますが、
それは偏に自分の作品が不完全だからなのです。
いい年になってこんな事しか書けないのかと落ち込みますが、
考えてみれば、友人・親・恋人などに見てもらっても
口当たりのいい事しか言ってもらえません。
自分の形になってないような物をシナリオとして人様にお見せするには、
他人の、そしてプロの目が必要なのです(少なくとも私には)。
大人になって素直な意見を聴く機会は意外に少なく、
この教室の存在は貴重です。
自分の中でモヤモヤしているものがあるのなら
教室に来るのも一考かと思われます、また結構厳しいですが。
森(第50期研修科昼間部)
大阪府出身。書店勤務。
去年1年間、49期基礎科・研修科を受講するが、
講師陣に惹かれて、今年も研修科を再受講する。