7月22日基礎科創作論講義 (元木)
本日の創作論講義 「ラジオドラマの発想と技術」
講師/小松與志子(シナリオ作家)
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六本木ヒルズからちぃばすという、小さなコミュニティバスに
揺られて、週に2回、赤坂のシナリオ講座に来ることが、
私にとっての人生の本番のための「ゲネプロ」である。
仕事は相変わらず多忙を窮めているため、
抜けてまた戻ることも多いのだが、
上司は幸い「お料理教室にでも通っているんだろう」と
思ってくれている。ははは。
・・・んなわけない。
でも、彼のその鈍感&スルー力に甘えて、
「遅めの花嫁修業なんですぅ」とテキトーなことを言って煙に巻き、
暫くはまんまと騙されていただくことにしておく。
さて、今日の講義。
小松先生の「ラジオの(シナリオの)時間」。
先生がお書きになったラジオドラマの脚本を実際に聴かせていただき、
ラジオドラマにおける脚本たるや、をいろいろとお話いただいた。
最近、仕事やプライベートのなんやかやで
あまり十分に睡眠をとっていない私だったが、
講義を受けながら、こんなことを考えていた。
私は、大阪生まれ大阪育ち。
小学校高学年の時に、大阪にFM802という局が新設され、
父が勤める広告代理店がその立ち上げにかかわったこともあり、
局の立ち上げコンセプトが入った、カセットテープをもらったことがきっかけでその局の番組を聴き始めた。
FM802では、さまざまな音楽番組があったが、
私はその中でも、大好きなバンド・スピッツのボーカルの
草野マサムネが毎週木曜にDJしていた
「MUSIC GUMBO」という番組のヘビーリスナーだった。
今でも毎週の放送を録音したカセットテープが100本近く
クローゼットの中で眠っている。
私は、彼らのファンということもあり、
ハガキ職人・電話職人っぷりを悉く発揮した。
数通のリクエストはがきを書き、
公衆電話からメッセージを必ず吹き込み・・・
ということを懲りもせず毎週やっていた。
その努力が報われ、
直接、草野マサムネと電話で会話したことすらある。(これ、自慢です)
そんなような根っからの音楽好きで、自分でも
楽器をいくつかやっていたということもあるが、
やはりラジオドラマというのは、音楽と
切っても切り離せない関係にあるのではないかと思うのである。
小松先生はラジオドラマ自体の番組数は減っていると
おっしゃっていた。
そういう厳しい状況下に置かれているラジオドラマではあるが、
音楽のライト~コアファンの広めの囲い込みのための番組の企画として、
「毎週、異なるアーティストを招いて、
そのアーティストの音楽の世界観をラジオドラマにするような番組」
を提案し、ラジオ界に一石を投じたいというのが
長年の野望のひとつである。
その証拠に、募集もしていないのに、就職活動の際、
その企画を引っさげて、FM802の門を叩いた。
思いっきり門は開かなかったが。
それを見た瞬間にストーリーが
浮かぶような歌詞に出会うことが多々ある。
その度に、音楽ってその存在自体がなんという驚異なんだろうと思う。
たった4、5分の世界でドラマが描けるなんてすごすぎる。
そのアーティストが紡ぎだす音楽の
世界観を十分に理解し、ショートストーリーを
ラジオドラマに仕立て、曲を流していくというようなスタイルの
粋な番組があればと、FM802を聴き始めたローティーンの
頃から密かに企てている。
まあ、単純に自分の好きなアーティストと
仕事がしてみたいだけなのだけど。
動機は不純でよろし。
そうでしょう?先生方。
元木(第51期基礎科夜間部)
大阪府出身。六本木の会社に勤めながら、火曜・木曜の夜は講座に通う。
仕事と両立しながらも、4月から現在まで皆勤を続けている。