2010年3月30日(火曜日)
相方にこの日記を読まれた。「哲学がないよね」と一言。哲学って何だ?
そうそう生活の中に哲学などあるわけがない。そもそも日記に哲学が必要なのか?
男女の間に横たわる溝は暗くて深い。
朝から腹が立つ。かなりイライラしてキーボードを叩く。何に対してイラついたのかは書けないけど。人に読まれることが前提の日記って微妙だな。書けない事ばっかりだ。人には「怒らなさそう」と思われているようだけど、結構、頻繁に怒っている。あまりにも腹が立ったので床の上をグニグニと転がる。
午前中は昨日のプロットの続き。見えた感じがしたけどあっさり見失う。煮詰まったので昼食がてら本屋へ行く。本屋が好きだ。最近はAmazonで買うことも増えたが、やはり本屋が最強だ。目当ての本を探しているうちに、面白そうな本を発見してついつい買ってしまう。おかげで部屋にはジェンガのような本のタワーが何本も聳え立つ。
村上春樹氏の『1Q84』を買おうかどうしようか、しばし悩む。僕はこう見えて(どう見えているかわからないけど)、村上作品が好きだ。『羊をめぐる冒険』なんて、何度読んだかわからない。しかし、『1Q84』に関しては、どうも食指が動かない。理由は簡単で、売れすぎているから。「売れてます!」という報道が出た途端、誰もがとりあえず買ってみたって感じがして、どうも買う気が起きない。
僕は昔からそうなのだ。友達が並んでガンダムプラモデルを買っていた時も、ドラゴンクエストにはまりまくっていた時も、キン肉マン消しゴムを集めていた時も、全く興味が沸かなかった。そんなメンドクセー男なのです。結局、4冊の本を買ったが、『1Q84』は買わず。帰って来ると日曜にAmazonで買った本が届いている。買ったのを忘れていた。
夕方から赤坂で打ち合わせ。行く電車の中で読まねばならない原作を読む。面白い。自分で見つけたなら大々的に発表したいくらい面白い。まだ途中だけど。
打ち合わせは難航。そして最初の方のブレストでありがちな「そもそもこの設定でいいのか?」というそもそも地獄に迷い込む……。
その後、打ち合わせで一緒だったライター仲間のUさんとお茶をした。
Uさんとは何度か一緒に仕事をした仲間。同じ43期研修科だ。彼女からみんなの近況を聞く。みんながんばっている。負けていられない気持ちになった。今日の企画も無事に着地してくれることを祈る。
帰り道、ファミレスに寄ってプロットの続きを考える。飽きると別の原作本を読む。それを何度か繰り返す。
DVDを観て寝る予定。
2010年3月31日(水曜日)
以前から田宮榮一さんが気になる。元警察官で、「捜査のプロ」としてよく事件についてコメントする、あの人だ。その田宮さんが、ある事件の犯人像について意見を求められた時のコメント。
「犯人は20代から30代、もしくは40代から50代と思われます」
ステキだ。ステキすぎる。「もしくは」というところにシビれる。その他にも「日本人、あるいは外国人の男性もしくは女性」「計画的な犯行でなければ突発的な犯行の可能性」「単独犯もしくは複数で犯行を行っている」など、シビれるプロファイリングを展開している。この推理はほぼ的中しているに違いない。「ヤスコとケンジ」をやっていた時、日テレのカフェレストランでしょっちゅうお見かけした。
午前中はプロット。じっと考える。思いつたことをひたすら書く。飽きると昨日買った本を読む。読んだのはE・キューブラー・ロスの『死ぬ瞬間』。病気などで瀕死となっている二百人にインタビューしたという本だ。死に向かう人の心の変遷が克明に描かれている。とても面白く、読んでいるうちに午前中が終る。
午後から出かける。『ハートロッカー』を鑑賞。思ったより客が少なかった。公開中なので感想は書かない。
相方と外で夕食を摂る。僕はタイ料理を主張したが、相方はフレンチを食べたいと譲らない。当然、僕が折れ、カジュアルフレンチの店へ行く。料理は美味しかった。僕の意見は採用されないのに、支払いの時には僕の財布が採用される。何となく腑に落ちない。美味しかったからいいけど。
帰ってからテレビで川崎フロンターレのACLを観る。敵地メルボルンでの悔しい敗戦。これでACL敗退の可能性が濃くなってしまった。今年は等々力競技場に何回行けるだろうか。
明日はエイプリルフール。盛大なウソをついてやろう。
2010年4月1日(木曜日)
午前中、プロットを書く。録画したドラマを観る。本を読む。
午後から打ち合わせ。頓挫していた企画が再び動き出したのだ。プロデューサー、監督とホン打ち。
終った後、ファミレスに寄りプロット書き。
シナリオライターのA君から電話がくる。沖縄より帰還の報告を受ける。仕事の一環とはいえ沖縄旅行は実に羨ましい。久々に長く話した。
明日は『サロン雀の巣』の花見。しかし打ち合わせがある。終ってから顔を出せるといいのだけど。
嘘をつかずに一日が終る。眠い。
2010年4月2日(金曜日)
午前中、書く。書いて悩む。疲れたので途中で録画していたドラマを観る。
パソコンを持って外出。気分転換に外で書くことにする。
昼、ADの男の子が「美味いっすよ!」と言っていたラーメン屋に寄ってみた。僕が入った途端に行列ができる。ラッキーな気分。
しかし……、この店にはもう二度と行かないと思う。店内は一人ずつ席が区切られていて、両サイドに衝立が立っている。その上、目の前には壁。下方に小窓があって、そこからラーメンが出される。壁に囲まれてモソモソとラーメンを食べるのだ。ここはブロイラーか……。店の中はシーンとしていて、ラーメンをすする音が響く。すごく居心地が悪い。味云々よりも、僕はそんな店で食べたいとは思わない。そういうのが好きな人もいるのだろうけど。
午後から喫茶店で書く。思うように進まない。何かが上手くいってないのだが、それが何なのか……。
そのまま夕方から打ち合わせ。長いことかかる。終ったのは22時。花見に行ける時間ではなくなってしまった。それにしゃべりすぎて疲れた。スタッフとご飯を食べ帰宅。
もう少し書いてから寝る予定。
2010年4月3日(土曜日)
午前中、図書館へ。昨日の打ち合わせで風呂敷を広げすぎたので、その収拾のために資料集め。いくつか参考になりそうな本を借りる。
その足でTSUTAYAに行き、ひと段落したら観るつもりでDVDを借りる。借りたのは『愛のむきだし』。
午後から喫茶店で書く。
夜も家で書く。
それだけの一日。
2010年4月4日(日曜日)
朝方、何度か携帯電話が鳴る。その都度起きて確認するが、4通中3通がスパムメール。
残りの1通は古い友人から。「今日はマイバースデー」と書いてある。「知らんがな」とツッコミを入れつつ、返信メールを書く。何度も何度も書き直して送信した。メールがなければマメに連絡も取らなかったであろう友人。そんな人たちと携帯電話というツールで細く長く繋がっている。悪くないと思う。
一日中、パソコン前に座って書く。とりたてて何もない一日。
「書く」という一言には、色んな状況が含まれている。スラスラ進んでいる時もあれば、上手くいかなくて歩き回ったり、床を転がったり、うなったり、本を投げつけたり、ブツブツ独り言を呟いたり……。それらは「書く」という一言に含まれている。
これで僕の一週間の日記を終ります。時々書かせてもらっている『ルビコンの決断』は休みだったけれど、なかなか慌しい一週間でした。
ありがとうございました。