シナリオ講座      一般社団法人シナリオ作家協会


     
    三島有紀子/三島ゆき
  
(シナリオ作家・映画監督) 
http://yukikofilm.exblog.jp/

  最近見た映画「グラン・トリノ」「ウェディングベルを鳴らせ」
  「チェイサー」「スラムドッグミリオネア」「レスラー」「愛を読む人」
  ・・・・「グラン・トリノ」が今の所本年度ナンバ−1です。
  
  PARCO劇場「LOVE30 vol.1」(DVD発売中) などの脚本。
  映画「刺青〜匂ひ月のごとく〜」(公開中)
  ドラマ「妄想姉妹〜文學という名のもとに」などを監督。


                            


2009年7月13日(月曜日)

朝もはよから目が覚めて 10年後の自分を夢想する。半分キラキラしていて半分ぞっとした。
ああ、こわいこわい。笑。

作ったパンケーキと珈琲そして青汁を食して新宿へ出発。

そう、実はソフトバンクの携帯電話が壊れて修理に出していたのだ。
悲しいことに私の携帯はノキア様。バックアップのデータが再現されないと聞かされ、私は大慌て!!
優しい店員さんがいろいろ試してみてくれるということで
その待ち時間に高野フルーツパーラーの地下二階にあるジューススタンドで
「マンゴーミックス」を飲む。おいしい。
マンゴー、人参、レモンなどが入った体に染み込むジュース。
そろそろオッケーかしらんと、再度店に戻ったがまだだめみたい。とほほ。

と、読売テレビのプロデューサーの方から電話。
今日は 監督したドラマ「LOVEGAME」(主演・釈由美子/読売テレビ)のDVD発売用のMAです。
「そろそろ監督の担当話の時間でっせ〜」とのことで
走って四谷の映広さんにかけこんだ。

クラシック音楽をつけてもらっていた私は
その部分をさしかえ。

でもバップの石本さんが素敵な曲を探してくれて
効果の多母神さんやミキシングの増田さんや中田さんのおかげで素敵に仕上がった。
年内にはまたここで仕事したいなあと思っています。笑。
とにもかくにも 本当お疲れさまです!

そう言えば、プロデューサーの方から
ある映画の記録さんが私の担当した回をみて「面白かった」と言ってたで〜
という話を聞いて 素直に嬉しかった。キャスト スタッフ、みんなの力だすな。
ありがとうございます。
「ではみなさん、また近々お会いいたしましょう」と四谷を出発。

そしてまたもや ソフトバンクへ。
「まだできてません〜もう少し頑張らせてください」という汗かいた店員さんに悪いなあと思いながら「・・・・どうぞよろしくお願いしますっ」と店をあとにする。
だって650件もあるアドレスなくなったら
もう〜どうしたらいいの?笑。お願いしま〜す!!!!!

それでそのまま渋谷へ。
ハチ公口の交番で待ち合わせ。久しぶりやで。こんなところで待ち合わせするの。笑。
映画「転々」のプロデューサーさんとビア〜タイム。先日渋谷のイメージフォーラムで公開された「刺青〜匂ひ月のごとく〜」(監督しました)
を見てくださったのでそのお話と映画の企画の話をしてました。
「お金出して 人が見に来てくれたんだよ。すごいことだよ」とまずは乾杯してくれて。
ありがたい話です。本当。


「空が抜けたような自由があった時代」
「人間てほんとっどうしようもないよね」
「フィルムの映写って真っ暗で 確実に死に向かってる。だからせめて何かを
映し出そうとするんだよ、きっと」
「肌のぬくもり感・・・大事ですね」

なんて話がつづいて気がついたら 5時間くらい話してた。

帰ろう帰ろう。

そして帰って来て、はた、と思った。
割り勘でと言ってたのに 私、払った記憶がない!!
やばい。明日メールしよう。そうしよう。

ということで 一ヶ月で5キロ太った私のダイエットは
全く進まない1日でした。
今日から一週間どうぞよろしくお願いします。



2009年7月14日(火曜日)

最近、朝目が覚める。あ、当たり前か・・・。


午前中 ある映画のプロデューサーの方が映画化したいという小説、を読む。
なんとなく人肌感が私に向いているのではないか、と渡された。
うん。好きかも。好きかも。なんて思いながら家を出る。

昼は
銀座で、プロデューサーであり友人であるSとランチ!
Sは私がまだ会社員だった頃からの友人。今まで一度も一緒に仕事は
したことがない。笑。
純喫茶などがまだ存在している有楽町交通会館で待ち合わせ。
14階までエレベーターで上がってひとつ階段を上がると
そこに広がるは、レトロなスカイラウンジ。知ってはる方は多いと思うが
このお店はゆっくりゆっくり回転していて 風景を楽しめる。
東京駅を見下ろしたとき、のわくわく感と言えばこのうえない。
いくつもの電車が通り過ぎて まるでジオラマのよう。
しかも、この店は値段も高くない!!
ちなみにホームページにはこんな風に書いてありました。



もらった福引き券でくじ引いたら ティッシュがひとつ。こんなん景品か〜
景品と言えるか〜笑。


昼過ぎからは 女性プロデューサーのKさんと携帯配信ドラマの企画話を銀座のカフェで。
いやーおばはん二人、好きなこと言って 笑ってただけのような気もするが
おもしろい人なので なんか一緒にやってみたい。
とりあえず、Kさんが最近珍しく泣いてしまったくらいよかったというおすすめの
映画「さくらんぼ 母と来た道」
を見てみようと思う。

そして、今日もまた新宿ソフトバンクへ。笑。
もうほとんど毎日通っていて どの店員さんにも顔を覚えられている。笑。
とりあえず マイクロディスクに代替電話に入ってたデータを入れてくれたらしい。
だがそれも私の携帯、ノキア様は受け付けない。
ダメでもここまでやってくれたら 感謝です。ほんとに。


なんかなんか 今日は お腹の調子が悪くて少しダイエット進む?
ジーンズがですね。入らないんで  最近は レギンスという貴重なものを愛用しとります。
今年ほど世の中でレギンスやチュニックが流行ってくれていてありがとうと思う年は、ない。

そして1日の終わりには 母が刺したフランス刺繍の額を見る。
丁寧にひと針ひと針、糸で描かれた小さなお家。煙突からは煙りが出て
庭にオレンジの薔薇が咲く。
その途方もない作業にいつも「すごいな」と思う。

三島由紀夫の「サド公爵夫人」にこんな一節があった。

『幸福とは・・肩の凝る女の手仕事で、刺繍をやるようなものなのよ。
ひとりぼっち、退屈、不安、寂しさ、物凄い夜、恐ろしい朝焼け、そういうものを人目人目、
手間をかけて織り込んで、平凡な薔薇の花の、小さな一枚を作ってはほっとする』
(間違えているかもしれませんがそんなような内容だったと思う)

もしかしたら 「作る」ということも、そんなものかもしれない。
ただ毎日は不安の中での小さな作業の積み重ねで、たまに朧げながら
形が見えたら、ああ、ここまで来れた。って。今までの時間が無駄じゃなかったと思える。
こうして形になることで安心する。
ということは私はやっぱり 「女」なんだかなあ。笑。

そんなところで、今日も1日おつかれ様でした。



2009年7月15日(水曜日)

朝、青汁とごはんだけのおにぎりをいただく。

今日は、スチール撮影なんだけど
なんと!!!私のポートレートを撮ってくれる日。
それもアレン・ギンズバーグやオノ・ヨーコなどを撮影した
素敵な素敵なカメラマン堀清英さんが撮ってくれるのです。

というのも、実は少し前に堀さんの作品集にメッセージを書かせていただいたのです。
それがご縁で 今回撮影してもらえることになったのでした。
ありがたい!!
(堀さんの作品はぜひこちらでご覧ください。映画のような物語のある写真です。
http://kiyohidehori.com/)

何を着ればいいのか、
いつもはノーメイクだし髪は洗いざらしだし?・・・今日くらいはなんとかせねば!
なんて思いながら いろいろもっていったのだが
結局なんとなくいつものTシャツとジーンズ。そしてノーメイクで。
しかも急に太ったので全てがパツパツ。とほほのほ。

堀さんのスタジオのソファに座り
ゆるやかになんとなく撮影が始まって
楽しくなって来た。
堀さんの奥さんのみちさんとも一緒に撮ってもらったりしてわいわい。
とにかくですね、堀さんの手によってどんどんアート空間が作り出されていく。
それを楽しんでいたかもしれない。

夕方、少し涼しくなって来たので
公園へ。
壁に映る木の枝の影などを背景にしたり
モノクロにするといい感じになると言うペインティングされた壁の前で撮ったり
歩いてみたり。

堀さんは光の入り方とか その一瞬を逃さない。
人物の一瞬をきりとることで
全てをうつし出す。
ポートレートって、とても面白くて 怖いものだと感じた。

無理をお願いしてフィルムでも撮影。
どんな風に撮れているのか 楽しみでドキドキします。

きっとこれがいまの「自分」
しっかり受け止めよう。

「お疲れさまです〜」みどりのエビスで乾杯!
夜はベランダにて、
七輪でかれいやしまほっけやしいたけアスパラガスなどを焼きながら
3人でいろんな話をした。


「遊ぶ」ことの面白さ。
「結婚」の素敵さ。(私は独身)
「仕事」の向き合い方。

気がついたら終電の時間。

とても楽しくて 堀さんとみちさんと
ショートフィルムを一緒に作りたいなあ
なんて夢想して今日は床についてみようかな。



※写真は堀さん撮影の写真です。私、歩いてます。笑。




2009年7月16日(木曜日)


朝から嬉しいメールが来た。友人から「ぴあにのってたよ!」とのこと。
嬉しいことに「刺青〜匂ひ月のごとく〜」が、6/27公開の初日満足度ランキングで
5位(平均86,4点)に入ってたらしい。
写真に撮って送ってくれた。ありがとう。見てくださった方も本当にありがとうございます。

これを心に刻んでこれからも精進しようとあらためて思う三島でした。

午前、オレンジを口に頬張りながら友人からのメールを弾みに、プロットを書き始めるが、
手が止まった。
じりじりと暑さだけが強調されて
時空が歪んできそう。笑。

でも今日は打ち合わせで午後からは原宿へ。
NHKのドキュメンタリーのお仕事の話だった。特番です。ありがたいです。
ただ、まだ視点が決まっていない。ドキュメンタリーというのは視点と取材力と構成力が命だ。
まず、私ならどう見るか・・・という視点が見つかればやってみたいとお話しした。

それから 喫茶店でいろいろ
今後の仕事の整理をして


シアタートラムで「奇っ怪」というお芝居を見る。
小泉八雲の話がベースになっている。
中村トオルさんが主演。
やはり芝居を見るといろんなアイデアやイメージが浮かぶ。
私にとっては大事な空間で時間なのです。


芝居後。近くの「きゃんどる」というイタめし屋さんで
70歳のソウルメイトの女性と手の動きがとても美しいゲイのTさんと
三人で乾杯。

おいしかった。

こんな時間が自分を支えているとわかる。

暑い。なんだか暑い。でもいろいろ連絡しなきゃ。とパソコンに向かうがなかなか進まない。
今日は「ごめんなさいっ」と思いながら 寝ます。

お疲れさまでした!



2009年7月17日(金曜日)

私には 大阪で独り暮らす82歳の母親がいる。

その母親が体調を崩したので大阪へ飛んだ。それで
この日記がなかなか書けなかった。

ゴメンナサイ!

遅れてしまったけれど
せっかくなので続けて書かせてくださいね。
明日の日記から母のことを書こうと思う。


金曜は、午後から初めてのプロデューサーに会う。

新宿の喫茶店。私が監督したドラマや映画などを見てくれたらしい。
東電OL事件に興味があるらしく 私が書いた戯曲を見せてもらいたいと言われた。

私はあの事件が起こったとき 魔力を感じるくらい惹き付けられた。
それからその関連記事や関連書籍をあさり、舞台公演したことがある。
2005年の1月末。
場所は新宿のタイニィアリス。
タイトルは「遮断記〜東電OL事件外伝〜」。
事件から8年経ったこのときでも
人々の関心が高かったのを覚えている。

神泉駅のトンネルの前にひとつの遮断機がある。
手前にはいつもおでんを買っていたと言われているコンビニがあり
渡っところすぐのアパートに現場がある。
毎日毎日
遮断機を越える時、彼女は何を思ったのか。
あの、遮断機の前に立ったときの「焦燥感」。
何かに遮られる不自由さ。
行ってはいけないと思いながら越えてしまう浮遊感。
そんなことを感じたのではなかったか。

なんにせよ、彼女の死は
八犬伝の玉のごとく
「何かを受け取ってしまった」
と多くの人に感じさせたのではないかなあと思う。

何年か後にまた挑んでみたいテーマです。

さてさて、そのプロデューサーさんと
もうひとつ、お仕事の話もした。
おもしろいことができればいいな、と思う。
新しいことは自分の中に発見があるしなあ。

そして帰って来て
プロットを書き始めた。なんだか体がざわざわして全然進まない。

もう一度原作に目を通す。
どのエッセンシャルに自分がつかまれたのか
もう一度探り始める。

そんななか、録画していた「刑事一代」を見た。
こんな風によく回り道してしまう。笑。

素晴らしかった。
ちゃんと「人間の生き方を提示している」。
テレビドラマの主人公は
その人の指針 ルール 尺度がはっきりしていて
その生き様を提示すること
が大事だと思っているし、
少なくともそれを目指したいなあと思っている。

どんなにいい加減で揺れている人であっても
「ここだけは譲れない何か」
それがその人を表すものだと思う。

「刑事の仕事は0点か100点しかない」
そのルールに従って突き進む男はやがて時代の隅に追いやられる。
でもどこまでも魅力的だった。

吉展ちゃん事件の犯人 小原を演じた萩原聖人さんと主演の渡辺謙さんは
撮影当日挨拶もせずに役に入り込んでいたと現場の人から聞いた。
素晴らしい対決だったと思う。


素直にこの世界にいて「よかった」と「頑張ろう」と両方の思いをかき立てられた作品だった。

支離滅裂ですが
金曜分はこんなところで
失礼します。



2009年7月18日(土曜日)


またまた遅れて書いています。

あと二日、おつきあいください。

今日は母の話。

母(82歳)は大阪で独り暮らしています。

八畳の部屋の真ん中に置かれた
キングサイズのベッド(昔兄貴が使っていたもの)で寝ています。

母の隣に寝ようと思ったら
タンスとそのベッドの間で寝るしかない。
その隙間はとっても狭く、ほぼ、私の体の横幅ぐらいしかないのです。

私は寝返りをうつこともできずに
ただ、天井を見上げてた。

と、突然母が笑い出した。

「そんなせまいところで寝られへんな。こっち、おいで」。

こっちおいでって言われても・・・ 同じベッドで寝られへんし。笑。
と思いながらも黙って隣に入っていった。

静かに目を閉じる。

背中で感じた母の体はとてもあたたかくて
ぼろぼろと涙がこぼれた。
実は私が母を要していたのではなかったか。

絶対的安心感。

それこそが
母が私にくれた最高のものなんだ。

このとき、
こうやって人間は 安心感というものを覚えていくのだろうと
思ったのです。

「安心感」いま、伝えたいテーマでもあります。

またまたつらつらと・・・世の中は動いているのにこんな話ですみません!!

皆既日食も終わってしまったというのに。笑。
でも皆既日食ってやっぱなんとなく恐くないですか?



2009年7月19日(日曜日)

ほぼ一週間遅れでアップになってしまい申し訳ありません。
今日で最後の七日目です。


午前。

朝から嬉しい電話が来た。

東映京都で監督した時に
ご一緒したキャメラマンから。
大阪の映画館で「映画、見ました!」とのこと。
近々一献を約束して切る。

大阪のイラストレーターの友人から
電話が来る。
「面白かったで。ほんまに映画好きなんやな。強い意志を感じるわ」
と言われた。
「次はオリジナル作・演出見たいわ」とも。

ずっと伝えたいこと、確実に伝えたいこと、を盛り込んだ映画の脚本をいい形で作品に
したいと思う。

それにしてもまたまた携帯電話が故障して
メールの送受信ができなくなると言う
前代未聞なことが起きた。
ここまで来ると
ほとんどコメディです。とほほ。
ソフトバンクで代替電話にすると
一気に46件のメールが…。
メールを送ってもらった方々に
本当に不義理をしてしまって
ゴメンナサイ!

いろんな人が「見たよ」とくれたり
メール返信ないから心配してくれたり
お誘いしてくれたり
素敵な作品を教えてくれたり

日々こんなメールを頂いて
生きているのだなーなんて
つくづく、ありがたく思いました!

ありがとうございます。


フリーで仕事する人間にとって携帯は
事務所の窓口みたいなものですもの。
前もって 対応しとかないと、だめですよね〜。
反省、反省。

午後、
プロットの続きを考える。
扇風機の前で寝転びながら
本を読む。

もし、この役者さんが演じてくれたら
もし、こんなロケセットで撮影できたら
もし、こんな光の中で撮影できたら

そんな想いが広がる。
とても幸せな時間かもしれない。

制作が始まると
目の前にはたくさんの現実が。笑。
もちろん、それをどう判断していって
どう乗り越えるか・・という時間も苦しみはあれど好きですけどね。

それに現場は、自分以外のスタッフのアイデアもありますから
それもおもしろいところですよね。

夕方、文章にまとめようと
机に座る。
ノートに ひっかかった要素を並べていく。

夜、鮭を焼く。

三つ葉と鮭のお茶漬け。
みぶ菜のおひたし。

寝床で
70歳のソウルメイトが酔っぱらって言ってた言葉を思い出す。
「人間ね、どれだけいろんな人に会って どれだけ心がわーーーーっとなって、
死んでいけるかよ」。

感情を揺さぶられる人生
感情を揺さぶる作品

を目指して 日々積み重ねていくしかないよなー
なんておもいながら寝てしまう。

いいのかなーこんな日々で。笑。

とにもかくにも、一週間ありがとうございました!

なんの構成もなく書いてしまいましたが
私自身はとても楽しませてもらいました。

またどこかでお会いいたしまょう!!
そんな日を楽しみに・・・
それでは!!

追伸・先日、昔通っていたボクシングジムの山本忍選手の試合があり、試合に
勝ったと報告あり!!
よかったなー!!とてもうれしいです。できればこの目で見たかった。
   私も、がんばろーっと。


リレー日記TOP