2009年11月24日(火曜日)
朝も足が重かった。まだ疲れている。回復が遅い。散歩の回数を多くして足を鍛えた方いい。でも、だらだらと寝転んで回復を待つのが、オレに一番合ってるな。
今日は御成門の音響芸術という専門学校で、午前11時からシナリオの講座がある。それだけは頑張らなくては。でも内容は考えてなかったので、箱根のシナリオ合宿の話をして90分授業を終えた。学生の諸君、ごめん。次は真面目に考えます。
それに日記は苦手だ。小学生の頃からである。何故だろう。コツコツやる仕事がダメなタイプなのか、今もって分からない。第1日目も、懸命に日記を書いていたら、どこかでミスタッチして、終りかけた日記文が何処かに消えてしまった。いくら探しても見つからない。もう一度書くしかないのか。そう思って書きなおす決意をしていたら、ぽんと何処からか出てきた。おい、何処に消えてたんだ、お前! これだから日記って大嫌いなんだ。
2009年11月25日(水曜日)
今日から本格的に休日だ。考えてみれば先月末から今月にかけて働きすぎた。心身ともに疲れのピークだった。
「休みだ」と決めると,意外に朝早く眼が覚める。さあ、何をしようか、読みたい本、読むと約束した本が山となっている。大森兄弟の『犬はいつも足元にいて』にしようか、『仏像がわかる本』を読むか、楽しみにしていた『江戸の「粋」の系譜』か、宮部みゆきの『英雄の書』にするか迷うばかりだ。ええい、手当たり次第に読もう。何でもいいや。でも、夕暮れ時になったら、なんだか目が疲れて,頁をめくる手が重くなってきた。ああ、疲れた。これって、ホントの休日かな。
2009年11月26日(木曜日)
休養を取るって難しい。のんびりしようと思って、読みたい本を並べて、適当に読んでいたら、つい面白くて夢中になってしまった。気がついたら肩は痛いし、頭が重い。最近は腰まで痛くなる。これで休養なのか? 明日は疲れない休養法にしよう。
2009年11月27日(金曜日)
シナリオ誌の編集の大野亮氏から電話があった。同誌に連載中の『映画の中の名セリフ・名シーン』の次回作の打ち合わせだ。名作というと直ぐに思いつくのがセリフとシーンだが,それ以外に「色」がある。勿論,カラー映画の色彩である。
カラー作品を見た記憶は、中学生の頃、確か『海賊バラクーダー』という娯楽作品だった。ストーリーは忘れたが、紺碧の海の色と、青く澄んだ夜空の色は、人工的な色彩だったが、強烈な印象として残っている。
日本映画ではカラー第一作の『カルメン故郷に帰る』(監督脚本・木下恵介)と『夜の河』(脚本田中澄江、監督吉村公三郎)である。特に『夜の河』の京都の大文字焼きの、旅館のシーンの赤い色は忘れられない。田中澄江はラブシーンが書けない(文字で表現できない)ので、シナリオの途中からは、打ち合わせだけで吉村監督が表現した。その時の障子に映る提灯の赤い色が強烈で、それをバックに山本富士子と上原謙のラブシーが華麗に展開された。
何処で映画を観たのだろう、それは記憶にないが、その赤い色が脳裏から離れず、霧雨の降る銀座あたりから京橋、東京駅まで
歩いたのを覚えている。そんな微かな記憶を頼りにシナリオ誌に原稿を書いている。さて、来月は何を書こうか……。
2009年11月28日(土曜日)
休みと決めた日は散歩に出るといい。近くに広大な砧公園があり、その中に世田谷区立美術館がある。と思ったが、広い公園は一回りするだけで疲れる。そんな時は美術館の中の喫茶室でのんびりコーヒーを飲むのがいい。心を空にして、ただ青い空を見上げていれば、時間とともに疲れも取れて行く。――そう考えて、庭に出て空を見上げたら、どんよりした曇り空だった。ダメだ、これでは心が空っぽにならない。昼寝して、目が覚めたら溜まっているビデオテープでもみよう。そうだ、借りていた『本田美奈子、最後のボイスレター』も、もう借りて一年になる。早く見終えて返さなくては。ごめん、上野さん。――そして見たビデオは、その一本だけ。結局、怠惰な一日を送りました。ごめん……
2009年11月29日(日曜日)
遂に七回目が来た。日記が七回続くなんて画期的なことだ。少年時代から日記は「二日坊主」だった。三日と続かないのだ。書きたくない日は、子供の頃から、何も書きたくない。母が心配して「毎日、日記を開く習慣を付けなさい。その前に、机の前に座る習慣が大切よ」と優しくいった。でも夏休みの「お天気日記」では、やはり二日だけで以後は空白だった。休みの終わり頃、母が新聞を持ってきて、「八月一日、晴れ、のち曇り」と読み上げ、オレは懸命にお天気日記帳に書き込んだ。終ると「毎日、机の前に座ることが出来ないなら、一日おきでもいいのよ。頑張ることって大切なの」といったが、オレには出来なかった。その代わり、面白い本に出会うと、小学校の授業中でも、先生に叱られても、帰りの路上でも、歩きながら読み通した。好きなことは好き、嫌いなことは今でも嫌いだ。……ごめん、母さん。