シナリオ作家協会では、1952年から毎年、その前年を代表する優れた邦画のシナリオを収録する「年鑑代表シナリオ集」を編纂、出版してきました。数少ないシナリオ選集の一つとして、多くのシナリオ作家志望者、映画人志望者等に愛読され、日本映画界の発展に寄与してきました。
2007年、「'06年鑑代表シナリオ集」収録作品の1篇として映画「やわらかい生活」脚本を選出しましたが、原作者の拒否により、同作の収録を見合わせることとしました。
「'07年鑑代表シナリオ集」、「'08年鑑代表シナリオ集」でも収録作品として選出し、再三の交渉を続けましたが、収録が拒否されました。
当協会では検討を重ねた上で、平成21年7月14日、「やわらかい生活」脚本家・荒井晴彦氏と共同原告となり、出版妨害禁止、損害賠償請求等を求め、東京地方裁判所に提訴しました。
全6回の口頭弁論が開かれ、平成22年9月10日、請求は棄却されました。判決を不服として、同年9月24日、知的財産高等裁判所に控訴しましたが、平成23年3月23日、判決の言渡しがあり、原告の請求は棄却されました。その判決を不服として、同年4月6日、最高裁判所に上告しました。しかし、平成24年2月16日付で上告不受理決定の通知が届き、原告側の敗訴が確定しました。
当協会では、今回の裁判の結果を真摯に受け止めつつ、映像製作における、脚本家と原作者の関係性やあり方について、もう一度、深く考える機会を持つこととして、同作品の「上映会」と、「裁判報告」、そして脚本家、プロデューサーをはじめとした映像業界関係者等が参加をする「シンポジウム」を行う、この『「やわらかい生活」裁判を考える会』を開催します。
開催日
2012年7月20日(金) ※定員間近
第 一 部
13時00分〜15時06分 (開場:12時45分〜)
映画「やわらかい生活」上映会
脚本:荒井晴彦 監督:廣木隆一 原作:「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子著(文藝春秋刊) 音楽:nido 製作:川島晴男、石川富康、渡辺純一 プロデューサー:森重晃 アソシエイト・プロデューサー:永田芳弘 撮影:鈴木一博 照明:上妻敏厚 美術:原田恭明 録音:深田晃 編集:菊池純一 スタイリスト:宮本まさ江 スクリプター:川野恵美 スチール:土屋久美子 助監督:宮城仙雅 制作担当:湊谷恭史 出演:寺島しのぶ 豊川悦司 松岡俊介 田口トモロヲ 妻夫木聡 柄本明 大森南朋 ほか 製作委員会:ハピネット・ピクチャーズ、住友商事、スカパー・ウェルシンク、衛星劇場 配給:松竹 上映時間:126分 製作年:2006年
第 二 部 15時20分〜16時20分 (開場:15時10分〜)
裁 判 報 告
司 会: 西岡琢也(協同組合日本ナリオ作家協会 理事長・脚本家)
●出演者
柳原敏夫(第一審原告代理人弁護士)
的場 徹(控訴審原告代理人弁護士 / 九段綜合法律事務所代表)
柏原寛司(原告 / 一般社団法人シナリオ作家協会 会長・脚本家・映画監督)
荒井晴彦(原告 / 脚本家・映画監督)
第 三 部 16時30分〜18時30分 (開場:16時20分〜)
シンポジウム 「脚本と原作と著作権の不思議な関係」
司 会: 西岡琢也
●出演者
坂上 順(スタジオ88代表・プロデューサー)
佐藤 敦(日本テレビ放送網 制作局 副参与・プロデューサー)
中村義洋(脚本家・映画監督)
石飛徳樹(朝日新聞社記者・映画評論家)
山田庸一(控訴審原告代理人弁護士 / 九段綜合法律事務所)
柏原寛司
荒井晴彦
懇 親 会
18時45分〜20時15分
※有料
場 所
オーディトリウム渋谷 (東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS2階)
(懇親会は同建物の1階「カフェ・テオ」で行います)
お 申 込 み 上映会・裁判報告・シンポジウム
要予約/入場無料/先着順/定員130名
懇 親 会
要予約/定員70名/会費3,000円
※ 会費は、当日受付にてお支払いいただきます。
お申込み方法
観覧ご希望の方は、お申し込みフォームに必要事項をご記入いただき、送信してください。定員になり次第、締め切らせていただきます。先着順となりますので、定員に漏れた方にのみお断りの返信を差し上げます。
※現在、定員間近のため、お申込みいただいても場合によってはキャンセル待ちとさせていただくことがございます。その際はご連絡を差し上げます。予めご了承くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます (2012.7.12)
お申し込みフォーム
●お問い合せ先
一般社団法人シナリオ作家協会 事務局
107-0052 東京都港区赤坂5-4-16 シナリオ会館内
TEL 03-3584-1901 FAX 03-3584-1902
E-mail shadan@scenario.or.jp